御曹司と愛されふたり暮らし

部屋に戻ると、ハルくんが洗いものをしてくれていた。


「ごめん、ハルくん! 私がやるからいいよ!」

そう言って、すぐに彼の隣に駆け寄るけど、


「唯が残していったものなんだから、俺が洗うよ」

と言って、そのまま洗いものを続けてくれる。


やっぱりハルくんはやさしい。


だけど、なんだか。


いつもだったら、必ず私に振り向いて、笑顔で答えてくれるのに。

今は、自分の手元だけ見て、私のことはまったく見てくれなくて。


やっぱり、様子がおかしい。

この様子は、二週間前にも見た。

あれは、えりちゃんが『ハルくんが昔チャラチャラしていたと言っていた』という話をした時のことだった。

今も、唯くんが似たようなことをさっき言った時から、様子がおかしい。


ねえ、ハルくん。




「さっき、唯くんが言ってたことって……」

私が小さくそう口にすると、ハルくんの手がピク、と反応して、そのまま彼は動かなくなった。
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