御曹司と愛されふたり暮らし
「ハル、くん?」

なに? 私、こんなハルくん知らない。

視線も、声も、口調も、そして彼を纏う空気も。なにもかもが冷たい。
普段の彼との温度差が激しい。
私の足が、思わず震えそうになる。


すると……。



「……ごめん。ちょっとひとりにして」

そう言って、彼は自分の部屋へと入っていった。


私も、それ以上はなにも言えなかった。



その日の夜、彼は普通に部屋から出てきて、いつも通り一緒にご飯を食べてくれた。

会話も、普段よりはかなりぎこちないけれど、多少は交わしてくれた。

きっと、私がこれ以上あの話に踏みこまなければ、そのうちいつもの彼に戻ってくれる。なんとなくだけどそう思って、私も普段通り振る舞っていた。


だけど……。



これで、いいのかな?

私、ハルくんの恋人なのに。

今、彼はなにかに苦しんでるんじゃないの?


私、なにもしなくていいのかな――……。

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