御曹司と愛されふたり暮らし
「ゆ、唯くん⁉︎ やだっ」

「遥貴なんかやめて、俺にしなよ」

「はっ⁉︎」

そう言って、彼は私の頬をスッ……と撫でてくる。


ハルくんに頬を撫でられると、触れられると、いつもドキドキしてたまらなくなる。
だけど、今は。
ただただ怖くて仕方ない。
怖くて、身体が動かない。
でも、逃げなきゃ。逃げなきゃなにをされるかわからない。


「……ルくん」

ーー助けて。


「っ、ハルくん! 助けて‼︎」


すると。



「花菜⁉︎ どうした⁉︎」

玄関からハルくんの声が聞こえて、彼の足音がこっちへ向かってきて。


「唯……⁉︎」

ハルくんは、唯くんの顔を見て、一瞬驚いていたけれど。


「……っ、なにしてんだ‼︎」

大きな声でそう言って、ハルくんは唯くんに掴みかかった。


そのまま殴りかかりそうな雰囲気だったので、私は慌ててハルくんを止めた。


唯くんはソファに深く座り直して、そっぽを向く。

私とハルくんは、ソファの前に立ったまま、そんな唯くんを見つめた。


「……花菜、なんで唯を部屋に上げた」

なにも言わない唯くんよりも先に、ハルくんは私に話しかける。


「あ、あの、発作が、その……」

「発作? 喘息の発作が出たのか? もう大丈夫なのか?」

ハルくんは途端に心配そうな表情になり、私と唯くんを交互に見る。
あれ? 発作は唯くんのウソだったはずじゃ……?
< 152 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop