御曹司と愛されふたり暮らし
すると、唯くんは。

「……うるせぇ」

いつもの彼とは違う、低くて怖い声で、彼はハルくんを睨みつけた。


そして。



「本当は俺のことなんかどうでもいいクセに、善人ぶるんじゃねぇよ!」

そう声を荒げる唯くんに、私は思わず肩をビクッと震わせた。


だけど、ハルくんはいたって冷静で。



「本当に心配してるんだ。だけど、俺のことだけならともかく、花菜を巻きこむのだけは許さない。俺が憎いからって、花菜を利用するのはやめろと前にも言ったはずだぞ」

前にも……?
どういうこと? 私が唯くんと再会したのは、ついこの間なのに?



「ねぇ……どういうこと?」

発作のことも、兄弟間の関係のことも、私が口を挟んでいいことかはわからない。
だけど、私の名前が出てきたから……聞かずにはいられなかった。


すると、ハルくんは。


「唯は……俺のことが嫌いなんだ」

そう、話した。


だけど、それ以上はなにも言ってくれなくて。


私も、やっぱりどこまで踏みこんでいいのかわからない。


すると、今度は唯くんの方から……。



「……俺に気を遣って、なにも言えないわけ? 全部話せばいいじゃん。そうすりゃ誤解も解けるのにさ」

と、語りだした。
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