御曹司と愛されふたり暮らし
ふたりがそんな会話をしているところをボンヤリと見つめていると、不意に四葉さんと目が合ってしまった。いや、”しまった”なんて、四葉さんに失礼かもしれないけれど。でも、ドキリとしてしまったことは否めない。四葉さんは、ハルくんと同居している私のことを良く思っていないから。
すると、四葉さんはハンドバッグの中からもうひとつ、小さな紙袋を取り出し、それをテーブルの上の、私の正面にペッと投げつけるように置いたので、思わずビクッと震えてしまった。
なんだろう、開けていいのかな?
おそるおそるそれを手に取り、中身を確認すると、ポリスの制服を着た、イギリスらしいコスチュームのクマのストラップが入っていた。
チラ、と四葉さんに視線を向けると、一瞬だけ目が合い、すぐに逸らされた。
これが私へのお土産なのだろう。
四葉さん、私のこと嫌いなはずなのに、お土産買ってきてくれたんだ。
四葉さんは少し怖いけど、悪い人じゃないんだもんね。
うれしくて、さっそく携帯に着けてみた。
すると今度は、「唯はなにしに来たんだ?」とハルくんが唯くんに尋ねる。
「用がないと来ちゃダメなわけ?」
唯くんはおどけた雰囲気でそう返す。
大人になってから初めて唯くんと再会した時も、唯くんは人懐っこい雰囲気を演じていた。けれど、今目の前にいる彼は、その雰囲気を演じているわけではないように思えた。
元々、唯くんは子どもの頃から人懐っこくて明るい子だった。ハルくんとの確執も決着が着き、彼が自ら身にまとっていた鎧が自然と剥がれた……そんなふうに、私は思えた。
だけどハルくんは、「用がないとダメ」なんて返すから、私は心の中で「オイオイ」と小さくツッコミをした。もちろん、兄弟間ならではの冗談なのだろうけど。その証拠に、唯くんも「冷てーなー」と笑いながら返していた。
「まあ、用事がないってことはないんだけどさ。ちょっと、あいさつに来たんだ」
「あいさつ?」
ハルくんが首を傾げて唯くんを見つめる。なんのあいさつなのか、私も気になって彼を見つめる。すると唯くんは、ニコッと笑って。
「ニューヨークに留学しようと思って。しばらく日本からいなくなりまーす」
と、右手の平をヒラヒラと私とハルくんに振りながらそう言ったのだった。
すると、四葉さんはハンドバッグの中からもうひとつ、小さな紙袋を取り出し、それをテーブルの上の、私の正面にペッと投げつけるように置いたので、思わずビクッと震えてしまった。
なんだろう、開けていいのかな?
おそるおそるそれを手に取り、中身を確認すると、ポリスの制服を着た、イギリスらしいコスチュームのクマのストラップが入っていた。
チラ、と四葉さんに視線を向けると、一瞬だけ目が合い、すぐに逸らされた。
これが私へのお土産なのだろう。
四葉さん、私のこと嫌いなはずなのに、お土産買ってきてくれたんだ。
四葉さんは少し怖いけど、悪い人じゃないんだもんね。
うれしくて、さっそく携帯に着けてみた。
すると今度は、「唯はなにしに来たんだ?」とハルくんが唯くんに尋ねる。
「用がないと来ちゃダメなわけ?」
唯くんはおどけた雰囲気でそう返す。
大人になってから初めて唯くんと再会した時も、唯くんは人懐っこい雰囲気を演じていた。けれど、今目の前にいる彼は、その雰囲気を演じているわけではないように思えた。
元々、唯くんは子どもの頃から人懐っこくて明るい子だった。ハルくんとの確執も決着が着き、彼が自ら身にまとっていた鎧が自然と剥がれた……そんなふうに、私は思えた。
だけどハルくんは、「用がないとダメ」なんて返すから、私は心の中で「オイオイ」と小さくツッコミをした。もちろん、兄弟間ならではの冗談なのだろうけど。その証拠に、唯くんも「冷てーなー」と笑いながら返していた。
「まあ、用事がないってことはないんだけどさ。ちょっと、あいさつに来たんだ」
「あいさつ?」
ハルくんが首を傾げて唯くんを見つめる。なんのあいさつなのか、私も気になって彼を見つめる。すると唯くんは、ニコッと笑って。
「ニューヨークに留学しようと思って。しばらく日本からいなくなりまーす」
と、右手の平をヒラヒラと私とハルくんに振りながらそう言ったのだった。