御曹司と愛されふたり暮らし
ロビーは広く、ちょっとしたホテルのような感じだった。
外観と同じく、内装もキレイでピカピカで。
新しい建物なんだなということは一目瞭然だ。
でも、新しいだけあって、こんなマンションに住めるのは相当なお金持ち……選ばれし人間だけなんだろうな〜とか思う。
少なくとも、私のような凡人には、こんなマンションに住むとかは微塵も考えられない。
こうしてロビーに足を踏み入れるだけでも申しわけない感じでいっぱいだ。


それなのに、彼はさらに歩き進んで、ロビーにある自動ドアの横にあるセンサーに、胸ポケットから取り出したカードキーをかざす。

ピッ、という電子音とともに、自動ドアが開いた。

待って、待って。なんでこのマンションのカードキーなんて持ってるの⁉︎
しかも、しかも……なんで中へ中へとどんどん進んでいくの⁉︎

誰か知り合いの人が住んでるの⁉︎ そろそろわけを教えてよー‼︎



そんな心の叫びも虚しく、彼はスタスタ歩き進めるばかり。
私も、それについていくだけ……。


ロビーの自動ドアを抜けた先にはエレベーターがあり、その中に入ると、彼は三十階行きのボタンを押した。

さ、さんじゅっかい……。高っ……。


そして、行き先ボタンを見るに、三十階がどうやら最上階。
こんなに明らかな高級マンションの、しかも最上階に、彼はいったいなにをしに行こうとしているのか。
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