御曹司と愛されふたり暮らし
エレベーターが開くと、彼は迷うことなく降りていく。私もやっぱり、後に続いていく。ここまで来たらもう諦めというか、いろいろ考えずにただ彼についていく。あと一分もすれば、きっと目的地に到着して、彼の目的もわかるだろう。


彼はさっきのカードキーをもう一度手にし、3015室の扉の横のドアノブの上にあるセンサーにかざした。

ガチャリという、扉が開いたらしき音がして、彼はドアノブを回して部屋の中に入っていった。


なんか……まるで自分の家に入っていくような雰囲気だ。自分で鍵を開けているわけだし……。



「さあ、入って」

ハルくんが、玄関の扉を開けた状態で私に中へ入るようにと促す。

え、え? 入っていいの? 誰かいるんじゃ?


「え、えと。おじゃまします?」

そうあいさつして、ゆっくりと玄関に足を踏み入れると彼から、「まるで他人の家に上がるようなあいさつだな」と言われる。
え、だって実際そうだし……。


私の後ろからハルくんも家の中へと入り、背後で扉がしまる。



それにしても……家の中も本当にキレイで、広い。

全体的に白を基調とした雰囲気は、清潔感もあって落ち着いている。

私がひとり暮らししている六畳一間の安アパートとは大違いだ。
今の暮らしに決して不便しているわけではないけど、こんな極上なマンションに住めたらどんなにいいだろう。


でも、いったい誰が住んでいるの?

パッと見た感じ、必要最低限の家具はありそうだけど、誰かが住んでいそうな気配というか、そういう生活感はなさそうというか……。
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