御曹司と愛されふたり暮らし
「ハルくん、料理できるの?」

「まぁ、大得意ってわけじゃないけどな。不味くはないと思うぜ」

なんということ。
カッコよくて、やさしくて、御曹司で、料理もできるなんて!


「で、でも食料品なにも買ってきてないよ?」

「大丈夫。最初から俺が作るつもりで、いろいろ買ってあるから」

そ、そうだったんだ……。なんか、私よりハルくんの方が全然いろいろ考えているなぁ……。

でも、同居人として、そして女性として、ハルくんだけに作らせるわけにはいかない!
私も、料理はそれなりにできる。ひとり暮らしだし、実家にいる時もよく作っていたし。

だから「私もいっしょに作る」と言うけれど。


「今日は俺が作る。俺にできることは、なんでもしてあげたいから」

「そんなわけには!」

「やさしいな、花菜は。じゃあ、いっしょに作ることをお願いすることもあると思う。だけど今日は同居初日だし、俺にやらせてくれよ」

と、言われてしまう。
やさしいって……やさしいのはハルくんでしょ!?


これ以上なにを言ってもハルくんが折れないだろうことはわかっている。
なので今日はお言葉に甘えて、ハルくんにご飯の支度をお願いすることにした。


その間、私はアパートから持ってきた荷物を自室で片づける作業をすることにした。

私用に用意してくれてあった私の個室は、アパートの居間よりも当然広くてキレイで。
オシャレなデスクチェアと、大きなベッド。シーツも毛布もふかふかで、見るからに高級そう。
ちなみに、大きな扉にはやっぱり鍵がついていた。

これから、ここが私の部屋。
不覚にも、少なからず心が弾んでしまったことが否めない。

浮かれちゃダメダメ。一週間でアパートに戻るんだから!
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