御曹司と愛されふたり暮らし
とりあえず、彼女をダイニングへと案内し、ダイニングチェアに座ってもらう。

不機嫌そうなのは、変わらずだ。


「えと、紅茶、コーヒー……なにがいいですか?」

せめて私は明るく努めようと、精いっぱい笑顔で話しかける。


「お構いなく」

そっけなくそう言われたけれど、私は「じゃあ紅茶で! ハルく……遥貴さんがいただいてきてくれたおいしいのがあるんですよ!」と、ムダに明るく答える。

……さっきは、”放っておけない”ような気がしてつい部屋の中まで招いてしまったけど、今は、放っておけないという気持ちより、この不機嫌さが気になって仕方がない。
なんとなく、私に対して怒っているような気がして。
って、そんなわけはないか。私と彼女は、今日ついさっき初めて会ったばかりだもんね。

……と思ったけど、どうやら私の勘は当たっていたようで。


「戸山さん、でしたっけ? 遥貴さんとどういう関係なんですか? 同居とか、おかしくないですか?」

と、さっきよりもさらに不機嫌そうな声でそう尋ねられる。

そういうことか。
この子、ハルくんのことが……とは限らないけど、私とハルくんの同居を良く思っていないのは確かなようだ。


私は紅茶を淹れていた手を止め、彼女に振り返る。


「えっと、ちょっとわけあって、私が住む場所がなくなってしまって、新しい家が見つかるまでここでお世話になっているんです」

あぁ、笑顔がひきつる。あ、でもあんまりヘラヘラするのも違うかな……。
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