俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
一気に顔を赤らめて「もうっ、」と顔を隠している間にレジを済ませた。

ハハッ。
まだ赤いし。

「帰ろうぜ」

再び手をとって歩き出す。

「ありがとう」

まだ赤い頬を緩めて嬉しそうに杏が笑った。
キスは冗談だけど、いや半分本気だったけど。これはこれで満足なんだ。

きっとそれは俺だけに見せてくれる顔なんだ。

「グラタン楽しみー」

俺に笑顔を見せた後あっという間に切り替えて、そう言いきる杏の頭はもうグラタンの事でいっぱいなんだろうな。

俺の頭は絶対見せられんねぇ。

時刻はなんだかんだと17時半が過ぎたとこ。
帰って、飯作ってもらってる間に風呂の準備して、それでも20時にはゆっくり出来るかな。

杏に見せられない頭の中は、こんな不埒な計算いっぱいで。
杏を抱ける20時まで、俺、我慢できるかな。

でもこんなに楽しみにしている杏を無視して襲っちゃったりしたら絶対怒られる。

「グラタン作るって言ったのに」
とか、
「暫くエッチ禁止にしますよ!」
なんて。

エッチ禁止は嫌だけど、怒ってる杏もたまにはいいかも。
杏の可愛く怒る姿も堪んないよね。
あれ、俺実はMなの?
怒られたいなんて。
でも、怒ってる杏を組み敷く妄想に変わってく辺りやっぱりMではないんだよな。

俺の下でよがる姿が堪んないんだ。

やべ。
20時までマジ持たない。
てか、家まで持たない。

ごめん、杏。
グラタン食べれなかったらごめんな。
先に謝っとくから。


そう心の中で謝罪して、隣でニコニコ歩く杏の手を握りながら家路に急ぐ。



「恭一?ねぇ、恭一じゃない?」

はっ?誰だよ。
突然聞こえたその声に振り向くと……
━━━━━━っ、


「弥生さん?」


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