俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
彼女は大学の1つ上の先輩で、隠してもバレてると思うから言うけど、元カノ。
当時モテ系サークルだったテニサー(テニスサークル)には200人近いメンバーがいて、そのなかでもきちんとテニスをしに来るメンバーは数十人だった。
その少ないメンバーの一人が弥生さんで。
中・高とテニス部だった俺はわりと豆に練習に参加していた。
そうなるとそんな関係になるのはあっという間で。
わりと高めの身長でヒールをはくと俺くらい。長めの前髪を横に流して、肩に付くくらいの綺麗なストレートの黒髪を、テニスをするときは無造作に後ろで束ねてた。
練習中の後れ毛がやたらセクシーで。
本人は気にしていたけれど切れ長の少しつり上がった目が笑うと少し柔らかくなるそのギャップが彼女の魅力だったんだ。
狙っていた男はけっこう多数。
それを横からかっさらっていった形で俺と付き合いだしたもんだから妬みや僻みも多かったけど、まぁまぁ順調なお付き合いだった。
弥生さんとは1年ほど付き合った。
だけど、だんだんと嫉妬や独占欲でがんじがらめに縛るようになってきて、当時の俺にはかなり面倒臭い状態で。
そろそろかな、なんて考え出した頃に彼女から別れを切り出された。
『恭一のことは好き。だけど、優しいだけじゃちょっと物足りない。
ねぇ、私の事が好きなら他の女の子に優しくなんてしないで。
それが出来ないなら……私達別れましょう』
最後はそんな会話で別れた気がする。
俺からしたら1年なんて長く付き合った方だし、嫉妬や独占欲さえなければ弥生さんの事はかなり気に入って優しく接してたつもりだったんだけど。
体の反応も悪くなかったしな。
そこそこ好きになってた気がしたけど、杏に出会った今はあの気持ちは好きとかそんなもんじゃなく『気に入っていた』だけだと分かるんだけど。
色々面倒臭いって思い出した頃に出た別れ話はもちろん快諾して、引き止めたいなんて露とも思わなかった。
あっさり承諾した俺に一瞬傷付いた顔をしたのも気がついたけど、気付かないふりをした。あれはきっと試してたんだな。
何度も言うけど、面倒臭い。
別れたくなかったら言わなきゃいいんだよ。
まぁ言われなくても俺から言ってただろうけど。
と、まぁそれからは挨拶をする程度で。
基本別れた相手と仲良くする気なんて全く無い。
弥生さんが卒業してからは会うこともないし、今3年ぶり?に会っても声をかけられたことに違和感を感じた。