俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
「申し訳ありませんが、今彼女と一緒なんです。杏?こちら大学の2つ先輩で高梨弥生(たかなしやよい)さん。サークルが同じだったんだ」
杏の手を軽く引き寄せ、握っていた手を離し背中に添えて弥生さんの前に立たせる。
杏は俺の顔を見つめて小さく頷くと弥生さんに向き合った。
「笠原杏です」
名前を言ってぎこちないながらも笑顔を浮かべてペコリと頭を下げた。
人見知りがちな杏が笑顔を向けているのは一重に俺の先輩だから。
そんな気遣いが嬉しくなる。
元カノだと言うことで罪悪感も生まれるが。
弥生さんからすると見下ろすような身長差で、何故か杏を冷ややかな視線で見ている。
今更何考えてんだ?
「高梨弥生です。大学では仲良くさせてもらってました」
冷笑。
そんな言葉が思い浮かぶ。
なんなんだ。
「へぇ。可愛らしい彼女ね。
恭一にしては珍しいタイプね。ね、連絡先教えてよ。
杏ちゃん?だったかしら。私達凄く久しぶりなの。少し時間貰えないかしら?」
要約すると、
『貴女とは遊びなのよ。私に譲りなさい』
ってとこか。
バカらしい。
お前とは終わってんだよ。