俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
会場を二次会へうつし、特に変わらず茜ちゃんと優ちゃんと共にソフトドリンクを飲んでいた。

一次会で先生方はほぼ帰宅し、二次会へ参加していたのは杉本だけだった。

明日は日曜日でお休みということで二次会へ参加した生徒も多く一次会で話さなかった友人とも話せて満足したこともあり、そろそろ帰ろうかというところで、杉本と数名の男子生徒が寄ってきた。

「笠原、飲んでるか?」

そういって綺麗な色をしたドリンクを手渡してきた。

「すぎやん、すぎやん、ちょっ、この子誰?何組だった子?すげえ可愛いんだけど」
「俺、俺、5組の田中!知ってる?」
「俺、7組!鈴木」
「俺、2組!佐藤」

覚えやすいな。


じゃ、なくて。
「えっと、ごめん分からない、かな」

茜ちゃん、優ちゃん分かる?と首をかしげて視線を送ると苦笑しながら小さく頷いていた。

マジか。

「ごめん、なさい?8組の笠原です」

ペコリと頭を下げて顔を上げるも身長差で見上げる形になる。
全員背が高いな。
なんセンチあるんだろう。
恭一君も私よりは背が高いけど、男の人の中では高い方じゃないしな、首が痛くなるかも。

思わずふふっ、っと笑みがもれる。


「「「………………っ、」」」


ほんのりと顔を赤くした男の子達に、杉本先生が頭を叩く。


「イッテ、何すんだよすぎやん」
「……いや、なんとなく」
「はぁぁぁぁ???」


教師と生徒のはずなのに友達同士のような会話のテンポにフッと懐かしさが襲う。


そういえば、杉本先生ってこんな感じだったかも。


そう思えば自然と笑みが漏れてしまう。
成人して、少しは大人になったと思っていても恩師との関係はいくつになっても変わらないもんだな。


漫才のような杉本たちの会話に無邪気に笑う杏の姿は一瞬にして周りの空気を止めた。


顔を赤くして、息を飲む男たちに茜が小さくため息をついていた。

杏ちゃんの彼氏が心配するはずだわ。


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