俺様御曹司による地味子の正しい口説き方 ※SS集
何を言ってるんだ。
仮にも担任だった先生を今更異性としてなんか思えない。
しかも、こんな私に杉本が本気だとは思えない。
「いやぁ……あの先生?」
「拓真(たくま)だ」
「はい?」
「もう俺は笠原の先生じゃない」
「いやいやいやいや!」
ね
何なんだ!
何がしたいの!?
ってゆうかしつこい!
「相手は?いくつの奴なの?」
「はっ?あぁ同じ年です」
「ふっ、若いな」
そりゃ若いですよ。
「笠原は年上と付き合ったことある?」
「……ありませんけど……」
お付き合い自体初めてだし。
「試してみない?年上の男」
「はっ?」
「お前らの歳に比べたら、だけど、金もあるし包容力もあると思うけど?」
「いやいやいやいや、」
「俺なら、そんな束縛しないよ?」
「いや、結構ですから!!」
「そんな加減も知らねぇガキみたいなただの独占欲、俺ならしない」
まっすぐと、視線を合わせながら暑く語る杉本になすすべもない。
駄目だ。
私、断ってるよね。
なんか自分に酔ってない?
どうしたら逃げられる?
ふと気付くと杏と杉本の周りを囲うように人だかりが出来ていた。
「おいおいおいおい、おもしれーもん始まったぞ!」
「すぎやんがマジ告白してるって!」
「かっけーすぎやん、がんばれ!」
お前らか!!
騒ぎ立てるモブに集まる生徒たち。
酒も入って余興のような扱いだ。
私の近くで優ちゃんもオロオロしながら見守ってくれている。
茜ちゃんも眉間に皺を寄せながらキョロキョロしている。
この二人も居たたまれないだろうなぁ。
注目されている居心地の悪さに、困る、より苛立ちが沸いてきた。