想いはシャンパンの泡とともに
「君が弱った時に漬け込むなんて卑怯な真似……ホントは嫌だ。けど、なりふりなんて構わない。ぼくは何をしても君が欲しいんだ。もう、待てない。アメリカから戻って日本で会社を作ったのも、美雪に会いたいからなんだ」
震える手でシャンパンを置く彼は、恐れをその瞳に浮かべてた。自信満々に見えたのに私を失いたくないと……。
(ああ……そうか)
私は、ようやくわかった。
圭ちゃんが聡に似てたんでなく、聡が圭ちゃんに似てたんだ。だから惹かれて……手放せなかった。このペンダントのように。
私の心の奥にずっと住んでいた人は、自信なさげに言葉を待っている。もう大人なのに……。
でも、とても彼らしい。
私は、シャンパングラスを手に取ると彼に向けて微笑んだ。
自分の、本当の愛を伝えるために――。
(終わり)


