永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



「こーら、3人とも、検温の時間ですよ!」


そう言って私たちの目の前に仁王立ちするのは、看護師の野々村 さつき(ののむら さつき)こと、さっちゃん。

茶髪のセミロングを後ろで一つに束ねている、明るくて、時々気の強いお25歳の姉さんだ。


「ごめんなさい、さっちゃん」


私の検温、待たせちゃったな。

さっちゃんのお仕事がこれで遅れちゃったら申し訳ない。

そう思って謝ると、


「風花ちゃんの事だから、みんなの面倒を、見てくれていたのよね。ちゃんと分かってるから大丈夫よ」

「なっちゃん……」


優しく笑って、気にしないでとウインクしてくるなっちゃんに、私も笑い返す。


お姉さんがいたらこんな感じかなーなんて。

なっちゃんといると、なぜだか安心感があった。



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