永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


「さ、検温するわよ」

「はい」


さっちゃんに言われた通り、カーテンを閉めて、ベッドで検温をしてもらう。


「風花ちゃん、胸の痛みはどう?」

「今は平気です、時々痛むけど……」


最近は、ちょっとした動作でも胸が痛んでしかたない。

私は脇に挟んだ体温計を外して、さっちゃんに渡した。


「そう、3日後の手術の事で不安なことはある?」

「手術………」


そう、私は3日後、心臓のバイパス手術というものをする。

不安がないと言えば嘘になる。

だって、成功率は高くても、その残り数%は死ぬかもしれない。

絶対、大丈夫なんて無いから……私は怖くて堪らなかった。


「やっぱり怖い?」

「あ………はい」


不安そうな顔をしていたからか、さっちゃんにバレてしまった。

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