別れるための28日の蜜日
だいたい、元々敏腕営業マンなんだ。本気出されたら、私なんかが言い負かせる訳がない。

「そろそろプロポーズしますよー、なんて相手にバレるのってカッコ悪いだろ?バレないようにって考えれば考えるほど、そういう話題にも迂闊に乗っかれないしさ」



って、そんな爽やかに言うの反則だから。ってか、こんな本気に口説かれるなんて恥ずかし過ぎて、これ以上続けらんない。



「わ、分かったから」

「ホントに?ホントに分かってくれた?」

「うん、分かった。だからもう、」

「じゃあプロポーズ受けてくれるって事だな!百合、ありがとう」



‥‥ん?なんでそんな結論になるんだ?



まったく理解できない展開でプロポーズを承諾した事になった私を、律人は苦しくなるくらい強く抱きしめられた。

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