別れるための28日の蜜日
そうは言われても、ここ最近関わった『計画』を思えば眉間が深くなるのは止められない。

「大丈夫ですって。ところで、お昼食べに行きません?私の計画に乗ってくださったお礼にご馳走させて下さい」

「その計画とやらの説明をしてくれるなら、ね。奢ってもらう必要はないけど」

「ありがとうございます。じゃあ、お願いします」

チャッカリなんだかシッカリなんだか、確かに計画性のあるらしい彼女は助手席の、ドアの前で僕がキーを開けるのを待っている。

これはもぅ、何を言っても無駄だろう。軽くため息をつきながら、施錠を解除して運転席に乗り込むと彼女もスルリと乗り込んできた。

「少し車で行くんですけど、絶品のパンケーキが食べられるカフェがあるんです。そこでいいですか?」

「‥‥山内さんに聞いたの?」

「すいません、気に障りましたか?」

「いや、構わない。山内さん曰く、僕と斉藤さんは気が合いそうらしいしね」

とにかく店で話を聞こう。色々言いたい事はそれからだ、と車を発進させた。
< 145 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop