摩天楼レボリューション
「次の日はお互い仕事だけど、ここからなら出勤には差し支えないし。むしろアパートから行くよりもスムーズだったりする」

「ホテルのお部屋も確保するなんて、彼女さんの為に頑張ったんですね」

「まぁね。といっても、ただのツインだけど。さすがにスイートルームを押さえられるような甲斐性は俺にはなかった」

「いやだって、一泊200万円ですもん…」


いくらなんでもそこまでは相手だって期待していないだろう。
むしろ、プロポーズだからってそんなに気張られてしまったらちょっと引いてしまうというか、『こんな金銭感覚の人と結婚してしまって大丈夫なのかしら?』なんて不安になっちゃうかもしれない。


「でも…ここなら普通の客室でもそれなりのクオリティでしょうし、期間中はインテリアがクリスマス仕様になってて、きっとすごく素敵なんでしょうね」

「かもね。見せてあげたいけど、さすがに部屋に連れ込むのはマズイしなぁ」


黒須さんは眉尻を下げながら続けた。


「それに、本来なら彼女と泊まる筈だった場所だから、そこに他の女性を通すってのはやっぱ抵抗があるし」

「あ、もちろんです。そんな図々しいお願いはしません」


私はブンブンと左手を振りつつ返答した。


「でも…ちゃんと律儀に予定を消化してるんですね」

「ん?」
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