摩天楼レボリューション
この後怪しい展開にはなりそうにない。
黒須さんならそんな事は絶対にしたりしない。

この人に声をかけて良かったと、心の中で安堵のため息を漏らした。

黒須さんこそが私の救世主だ。


「さて…それじゃあ次は俺が質問させてもらおうかな」


メインである、牛フィレ肉のなんちゃらかんちゃらが運ばれて来た所で、黒須さんは仕切り直し、という感じで言葉を発した。


「今日は何がどうしてあんな事態になってたの?」

「え?あ…」

「あの子達は何?大学の同級生?」

「…はい」


一瞬躊躇してから、私は意を決して告白した。


「もう、だいたい予想はついてると思うんですけど、私、日常的にあの子達にいいように使われてまして…。いわゆる『パシリ』というやつです」

「……うん」

「まぁ、面倒な雑用を押し付けられたり、学食でどさくさ紛れにデザートや飲み物を奢らされたりするくらいなので、そんなにハードな事をされている訳ではないんですけど」


あくまでも「今までは」だけどね…。


「いやいや、充分酷い扱いじゃないか。なんでそんな子達とつるんでるの?」

「他に友達がいないから……」

「別にいなくても構わないんじゃないのかな?大学生なら、学内で一人で行動してても特に支障はないだろう?」

「そんな簡単にはいきませんよ」


私はため息混じりに呟いた。
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