摩天楼レボリューション
出会いとは違い、あまりにもあっさりとした別れだった。

建物を出て、数10メートル歩いてから立ち止まり、周囲をキョロキョロと見回したけれど、彼女達の姿は確認できなかった。

さすがにここまでは付けて来ていなかったか…。

もしくは中に入って行く姿を見届けて撤収したのかもしれない。

私達がいつ出て来るかなんて事は彼女達には判断できないのだから、ここでずっと張り込んだりはしないだろう。

そこでふと思い立ち、バッグの内ポケットにあるケータイを取り出し確認してみると、案の定、3人からのメールが入っていた。


『まさかホントにやるなんて、バカじゃない?』


予想通りの文面に、何だか笑いが込み上げて来る。


『エンコーなんかしちゃって。バレたらあんたの人生おしまいだね』

『親や学校にチクられたくなかったら、まとまった金用意しな』


しかしすべてに目を通し終えた瞬間、私の心は急激にスーっと冷めて行った。

私は今まで一体何をしていたのだろう。

こんな浅はかで薄っぺらで幼稚でくだらない連中の言いなりになっていたなんて。

愛する人との薔薇色の未来が待ち受けていた筈なのに、突然それを奪われてしまった人、その人を偲びながら懸命に生きている人。
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