摩天楼レボリューション
「っていうか、何を勘違いしているのか知らないけど、食事を摂りつつ取材に応じてもらうだけなんだから、別に問題はないんじゃない?」

「……え?」

「しかもまだ19時前だし。あまり遅くならないうちにちゃんと解放するから」

「取材……ですか?」

「うん。まぁ、正しくは『そういう体で振る舞う』だけだけどね。実際に取材をするつもりはない」


するとその人はコートの胸元から中に右手を突っ込んだ。


「俺、雑誌の記者なんだ」


言いながら、しばし内部をゴソゴソと漁ったあと、黒い掌サイズのケースを取り出す。


その中に納められていた紙片を一枚抜き取ると、素早くこちらに差し出して来た。


「はい、これ。名刺ね。念の為確認して」


呆然としながらも反射的にそれを受け取り、内容に目を通した。

『隅谷書房/月刊future編集部/黒須三太』と印字されている。


「カルチャーと経済ネタが混在してる、「ちょっとお堅めの情報誌」って感じなんだけど、ターゲットは働き盛りのビジネスマンだから、女子大生は多分知らないよね」

「は、はい。すみません…」

「いやいや、別に謝らなくてもいいよ」


笑顔でフォローしてから黒須さんは続けた。


「だけど今、ちょうどその年代の子達にインタビューをしている最中なんだ」

「え…学生に、ってことですか?」
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