甘々なボスに、とろけそうです。
新條さん、それ、どういうことですか。ボスが私に贈り物をするのに、理由がないって。
「鉄に、期待しない方がいいと思うよ」
(期待?)
「別に……期待なんて……」
言いかけて、胸が、チクリと痛む。
――そうか。
私はボスに、心のどこかで期待していたんだ。あの甘い台詞の数々は、気まぐれや冗談なのだろうと考えつつ、本気で言ってくれていたらいいなと、そう願っていた。
この服も、髪も、慣れないエステだって……他でもない、ボスからの贈り物だから受け取った。受け取りたかった。お洒落した姿をボスに見せたかったし、私のために贈ってくれたと考えたら、それだけで嬉しい気持ちになれた。
だけど、そこに特別もなになかったとすれば。ボスから見て、私は、一人の女の子では……なかったならば。
「どうしてボスは、私にプレゼントなんて……」
「可哀想だから教えてあげる。みこは鉄から、妹として可愛がられてるんだよ」
「……妹? な、なんでですか?」
意味が、わからない。それなりに付き合いがあるわけでも、なんでもないのに。
「うちで働く鉄里香子――鉄社長の妹がね。みこのお兄ちゃんと結婚するんだって。つまり、みこは近い未来、鉄の義理の妹になるわけだ」
(……!!)
「だから、みこは鉄の特別なんだよ。でもそれは、恋愛感情ではない」