甘々なボスに、とろけそうです。
里香子さんが、兄と、結婚――?
私、ボスから、妹として見られているの?
それを勝手に、勘違いして……私……
「……バカみたい」
「え?」
ボスの〝特別〟に、なれた気がして、浮かれていた。
……恥ずかしい。
「ちょっと、頭冷やしてきます」
立ち上がる私。いてもたってもいられなくなったのだ。
「どこ行くの」
「い、色々と相談にのってくれてありがとうございます。明日から、頑張れそうです」
ダメだ。うまく、いえない。こんなんじゃ……
「その割には、絶望的な表情してるけど」
ほらね。新條さんに、動揺しているのがバレバレだ。
「……自己嫌悪といいますか。とにかく、1人にさせて下さい」
――今にも、泣きそうだから。
「……予想以上の大ダメージ、か」
新條さんがボソリとなにか言ったが、耳に入ってこなかった。ボスが私をあんなに優しく見つめてくれたのも、夏休みだからと雇ってくれたのも、全部、親戚になるから。
家族同然だから。それ以外に理由なんて、なかったんだ。
「みこ、場所変えよう。混んできたね」
人のいなかった店内だったが、いつしか、ほとんど席が埋まっている状態に。早足で歩こうとする私の手を、新條さんが握る。