甘々なボスに、とろけそうです。


「〝会わせろ〟〝うちの会社に連れてこい〟」


(!?)


「俺が社長に、何度そう聞かれたか。仕事中は、そんなプライベートなこと言わないけどさ。ご飯連れて行ってもらうたびに、頼まれた。それをやんわり、『バイトとか授業忙しいみたいですねー』なんて言って断り続けてたんだ」


そうだったんだ。言ってくれれば……良かったのに。どうしてそこまでボスに会いたがられたのだろう。


「それでねー、しびれを切らした兄さんが、強行突破に出たってわけ」


ボスが、兄のフリをしてまで私の警戒心をといて自分に近づけたのは、なんだかちょっと怖い気もする。

今朝ボスは言っていたっけ。『右も左もわからないミコが、自分の元までやってくると思うとたまらなかった』みたいなことを。

あれは、ボスが私を操っていたから、あんなことを言ったんだ。こっちは必死だったのに、28階から、高みの見物をしていたなんて……、とんだサディストだと思う。

ボス、というより――そう、それだけみると、悪魔のような男だ。

私は、ボスの思惑通りに行動し、まんまと必要でもない封筒を持ってこさせられた。忠実な私を、ボスは満足そうに見て、こう言った。


【よく来たな、誉めてやろう】


もしかして、あれって……

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