甘々なボスに、とろけそうです。


私、ボスにとって、〝ペット〟なんじゃない?……投げたフリスビーやボールを拾って持ってこさせられた気分とでもいおうか。

新條さんは、妹として見られているのだろうなんて言ったけれど。だんだん違う気がしてきた。ほら、ペットって、いわば家族同然の、かけがえのない存在なわけで。

今の時代、セレブな人たちは、ペットをお高いサロンに通わせるらしいじゃないか。その心理で、こんな田舎娘を、磨いてくれたのでは。

ウィルくんに『指一本触れるな』なんて言ったのも……『俺のペットを可愛がるのは、俺だけだ』的なニュアンスのものだったのでは。

……認めたくはないが、しっくりくる。


「ミコちゃんに、1つ、提案があるの」


「提案……ですか?」


「この夏休みは、兄さんと一緒に暮らしたらどうかな」


(!?)


「贅沢三昧できるわよ~」


脳内で、ボスの家でペットとして(?)暮らす私のイメージをしてみる。ボスが帰るとしっぽを振り玄関まで迎えに行き、鞄をリビングまでお運びして。

私の首には高級な牛革の首輪がついていて、それを外されボスとバスタイム。頭のてっぺんから足の指の先まで洗ってもらい、お風呂上がりにはブラッシングとドライヤーをしてもらい。

眠るときはもちろん同じベッドで、お互いの体温が伝わり合う距離感で眠る。

(それ、私に、つとまりますかぁあ!?)


――そんなR指定のつきそうな〝とんでも設定〟な妄想を、兄がピシャリと止めてくれた。


「繰り返すが、決めるのは、みこだよ」


お兄ちゃん……


「遅くなって、すまない」

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