甘々なボスに、とろけそうです。
「昔、携帯サイトで小説や漫画を読んでまして。その影響もあって、ノートに自分なりにアイデアを書き出していたことがあります。……懐かしいなぁ」
まだ部屋にある。捨てた覚えがないから。
「へぇ。読んでみたいものだな」
「いや、あれは、さすがに……人には見せられないです」
「俺にもか?」
こてんと首を傾けて物欲しそうに見てくるボス。
そんな顔しても無駄ですよ? 恋愛のレの字も知らなかった頃の私が描いた、実家に置きっぱなしのそのノートは、他人に見せたくないものナンバー1かもしれない。それはもう、黒歴史のカタマリです。
「……ボスにもあります? 人に見せたくないもの」
もとい黒歴史とやらは。
「あるよ」
なんだろう。すっごく気になる。詳しく聞いていいものかもわからないので聞けないけれども。
「……そうですか」
私の知らないボスがいると思うと、なんだか寂しく感じた。出会って間もないし、お互い踏み込めない領域はあるのはわかっていたとしても、〝ある〟と即答されたくらいだから、よほど見せたくないものがあるのだろう。
「ミコの、笑顔。それから、ミコの困った顔」
「わ、私……ですか?」
「あぁ。他には、寝顔もそうだし、お洒落した姿も、飾らないそのままの姿だってそうだ。他のやつに見られたくない。俺だけがミコの魅力を知っていたいんだ。できるものならミコの可愛さを独り占めしたい」