男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
表向きには、警護のためと聞かされた。
ボゾネ一味を捕らえたというのに、最近の城下街では、また強盗や襲撃などの物騒な事件が増えているらしく、青の騎士団は毎日忙しく活躍している。
だから念のために、続き間に護衛を寝泊まりさせるという理由を付けられ、私は部屋を移された。
しかし本当の理由はと言うと……殿下の身の安全のためではなく、私のためだ。
続き間も含めて、殿下の寝室に出入りできる者は極少数に限られている。
そのため、これまでの部屋よりは、突然誰かにドアを開けられる可能性が低く、安心して着替えや沐浴をすることができる。
女であることを隠し通すために、屋敷の中で一番安全な部屋をあてがわれたということだった。
バルドン公爵が忌々しげに私に視線を流した。
公爵の前での私は男なのに、まるで『娘の邪魔をしおって』と言いたげな顔をしている。
もしかして、私と殿下の間に男色の、いかがわしい関係があると思っているのだろうか?
決してそのような関係ではないと、否定したい思いで私は焦っていた。
一方、殿下は顔色ひとつ変えることなく、「ステファンは護衛だ」とひと言返しただけで、ドアの方へと歩き出した。
「ステファン、戻るぞ」
「は、はい!」