男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました

お互いにプッと噴き出して笑った後は、早速お茶会が始まった。


私はリリィの隣で、このテーブルには他に侍女と庭師のおじいさんが座っている。

庭師はリリィの正面に座ることに恐縮している様子だったが、リリィは「いつも綺麗なお花を届けてくれるお友達なの」と、私に紹介してくれた。


サンドイッチやチーズを乗せたビスケット、焼き立てのチェリーパイが出されて、紅茶を飲みながら会話を楽しむ。

空は晴れ渡り、群れからはぐれたような綿雲がひとつ、ポツンと浮かんでいるだけ。

眩しい夏の太陽に、緑や池が輝いていた。

池には鴨が数羽、浮かんでいて、水草を食べているのか、時々水面にくちばしをつけていた。


気持ちがいいなと思っていたら、リリィに「お茶のお代わりは?」と聞かれた。

紅茶はもう飲めない。お腹がチャプチャプになるほどに頂いたから。

「もう充分です」と断ると、リリィはなぜか立ち上がって私の腕を引っ張った。


「それなら、遊びましょう?
ボートを出してもらったの!」


池を見ると、桟橋の脇に白いボートが浮かんでいた。

「早く、早く」と急かすリリィに引っ張られるようにして、池のほとりまで行き、桟橋に上る。

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