男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
振り向くと、そこにいるのはエドガー。
そういえば、エドガーも午後の授業を早退していたっけ。
有名貴族である、ビーンシュトック侯爵家の跡取りなのだから、エドガーは招待されていて同然だった。
「ステファン殿も招待されていたのですね。嬉しいです!」
エドガーはくりくりとした丸い目を輝かせて、心からの喜びを見せてくれる。
ローストビーフを飲み込んだ私は苦笑い。
招待された訳ではない。
ここに着いたとき、殿下の隣にいる私を見たバルドン公爵は、なんでお前まで来るのかと言いたげな目で睨んできた。
殿下の考えで私を連れて来たことは、説明しなくても分かっただろうし、帰れとは言われなかったけれど。
それを正直に説明したのに、なぜかエドガーに尊敬の眼差しを向けられた。
「ステファン殿は、殿下に認められているのですね。いいなー。僕も殿下に目を掛けていただきたいものです」
認められているというか……殿下は私で遊んでおられるのではないかと、最近よく思う。
殿下にとって私は愛玩犬。
男か女かハッキリしない珍しい犬種だから、側に置いて可愛がったり、からかったりして、楽しんでいるのではないかと……。