男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
あのご令嬢が、エドガーのお姉さんか……。
お姉さんについて、以前、エドガーに相談されたことを思い出していた。
ビーンシュトック家の晩餐会に殿下を招待したら、お姉さんは冷たくされたらしい。
なんとか花嫁候補に名前を挙げたいところなのに、どうすればいいのか。殿下のお気に入りの私から、姉のことを話してくれないかと、エドガーに頼まれたのだ。
それは私には無理だと断ったけれど、エドガーのお姉さん、諦めずに頑張っているみたい……。
遠目でも、可愛らしい容姿をしているのが見て取れた。
エドガーと同じ、くりっと丸い目をして、赤茶の長い髪を縦に巻いている。
黄色のドレスを身に纏い、同じ色のリボンで髪を飾っていた。
スカートを両手で品よく摘んで挨拶してから、彼女は赤い顔して殿下に話しかけていた。
それを見て、私は胸がチクリと痛む。
私の目には愛らしく映るあのご令嬢を、殿下はどのように見ているのか……それが気になって仕方ない。
「姉上、頑張って」とエドガーが小声で応援しているから、私はさりげなく「こっそり近くに寄ってみようか?」と提案してみた。