男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました

それから七日が過ぎ、邪視の少年を発見したという一報が、殿下の元に届いた。

日もとうに落ちて、ランプの明かりだけの薄暗い執務室に、殿下とクロードさんと私がいる。

長椅子には殿下と私、テーブルを挟んだ向かいの、ひとり掛け椅子にクロードさんが座っていた。


「やはりな……。
残念だが、叔父上は黒だった……」


そういった殿下は、苦しそうに顔をしかめている。

バルドン公爵を疑いつつも、信じたい気持ちを捨てられずにいた殿下。

公爵が黒幕だったという事実は、かなり心に痛いようだ。


邪視の子供を見つけるに至る経過は、こうだ。

七日前に殿下は、バルドン公爵の屋敷を見張るようにと、青の騎士に指令を出した。

邪視の子供が直接屋敷に出入りする様子は見られなかったが、バルドン家の執事が不審な動きをしていることに気づく。

真夜中に、都の北側にある貧民街に足を運んでいるのは、どういうわけか……。


気づかれぬように尾行した青の騎士が目にしたのは、闇の中で、髭面の男に金貨を渡している執事の姿。

その後の調査で髭面の男は、一時期、都を騒がせていたボゾネ一味の残党だと判明した。

ボゾネ一味と言えば、暗殺、窃盗、麻薬や武器の密売など、悪事の限りを生業とする悪党団。

かつての私の脱走が、親玉を捕まえることに繋がり、一味は壊滅したかと思われたが、まだ生き残りがいたらしい。

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