男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
その男を調査して、アジトを見つけると……そこには、両目に包帯を巻かれた少年が閉じ込められていたそうだ。
邪視の少年は今、青の騎士に保護されて護送中。
少年を利用して変死騒ぎを作り出していたボゾネの残党も、アジトに潜んでいた者は全員捕らえられたらしい。
その捕獲劇の中に私が入れないのは、殿下が許可してくれなかったから。
私も一応、騎士なのに……と残念に思いつつも、邪視騒ぎがこれで収まるだろうと、ホッとしていた。
これでバルドン公爵は、無理やりエリーヌ嬢を殿下の元に嫁がせることはできない。
いや、もはや大公妃どころじゃない。
邪視騒ぎの黒幕だとバレてしまったのだから、これからは罪人になるのだ。
公爵がお縄に掛けられる姿を想像して、鼻息を荒くする私だったが、事態はそんな簡単な方向には進まないみたい。
クロードさんが、難しい顔をして言う。
「バルドン公爵は、全ての罪を執事に被せて、終わりにするつもりだろうね」
その推測に、殿下は「そうだろうな」と同意する。
公爵が捕まるところを想像していた私は、驚いて立ち上がり、声を上げた。
「そんなの、許せません!」
声が大きすぎたのか、隣にいる殿下に「落ち着け」とたしなめられ、椅子に座り直す。
それで、今度は控えめな声で意見した。
「邪視騒ぎの変死者は、五人に上っています。なんの罪もない人をそんなに殺しておきながら、執事のせいにして逃げるなんて……」