男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
不思議に思って殿下と目を合わせると、クスリと笑われた。
「意味が分からないといった顔をしているな。
宴じゃないぞ。邪視の子供のお披露目だ」
「え、お披露目? どうしてですか?」
「七年前、アベルは邪視の子供と目を合わせることで、呪い殺されることはないと、証明してみせた。不幸な子供を助けるために。
今度は、俺が……」
私を見つめる青い瞳の中に、弟君のへの強い想いが感じられた。
七年前の邪視の少年は、アベル様のお陰で処刑されずに済んだ。
その後は一緒に事故に遭い、可哀想なことになってしまったが、牢から出されたときと、修道院へという新たな生き方を示されたときには、きっと希望の光を感じたことだろう。
もし弟が生きていたなら、今回もきっと……そう考えて、殿下はアベル様の意思を継ごうとされているのだ。
胸が熱くなり、私の目に涙が浮かぶ。
弟君を守れなかったことを、今も悔いて苦しんでいる殿下。
そうすることで、罪の意識から少しは解放されるだろうか?
心の荷を、下ろしてくれたらいいのに……。
すぐ横にいる殿下の姿が、涙に滲んでぼやけてしまうと、「ステファニー……」と艶のある声で名前を呼ばれた。