男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
玉座に座った殿下は、面を上げるように言ってから、この集まりの主旨を説明する。
「急な呼び出しへの対応、ご苦労だった。
昨夜、都を騒がせている邪視の子供を保護した。子供を利用し、変死事件を起こしていた輩も捕らえている。安心されよ。
後は、手紙に書いた通りだ。邪視と言われる目には、人を呪い殺す力はないと、俺がこの身で証明する。皆はそれを見届けてくれ」
殿下が話している最中なので、口を挟む者はいないが、貴族たちの顔からは反対の意思が見て取れた。
皆、邪視を恐れ、殿下の身を案じているのだ。
彼らの顔を見回し、「心配無用だ」と殿下が言うと、ひとりだけ意見する者がいた。
それはバルドン公爵だ。
「そのような危険な真似はやめなされ。死んでしまいますぞ。邪視の少年と悪党どもを、さっさと処刑すれば済む話ではないですか」
「その悪党の中に、叔父上の屋敷の執事が含まれているが、処刑してもいいのか?」
「さっきも廊下で話しました通り、我が屋敷の執事のことは申し訳ありませんでした。ワシを欺き、なんと恐ろしいことを企んでおったのかと震えております。どうぞご遠慮なく、奴も処刑して下され」