男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
連れて行くのは腕の立つ青の騎士ふたりと、クロードさんだけ。
たくさんの護衛を連れて行けば目立ってしまい、バルドン公爵に気づかれる。少数精鋭で出かける方が安全であり、城も手薄にならずに済むという結論になった。
だから私についても『お前は留守番だ』とハッキリ言われたけれど、どうしても諦め切れずにこうして夜中に頼んでいるのだ。
「ダメだと言ったろう。明後日には帰るから、大人しく待っているんだ」
「お願いします! 殿下の身にもしもの事態があれば、私がお側でお守りしたいんです!」
危険があるというなら、尚のこと、私も連れて行ってほしい。
私も殿下の役に立ちたいという一心で、深々と頭を下げていた。
小さな溜息をついた殿下だが、『仕方ないな』とは言ってくれない。
「俺はお前に守られたくないと、前にも言ったはずだぞ」と、不愉快そうな声で言われてしまった。
以前、執務室で愛を告げられたとき、私に守られるのではなく、殿下が私を守るのだと、確かに言われた記憶がある。
あのときは嬉しく思ったけれど、今は嬉しくない。
役立たずの自分に悲しくなるだけ。
お願いするのがダメなら……と、顔を上げた私は両手を握りしめ、強い口調で言った。
「私は青の騎士です。殿下の護衛をするために、こうして青の衣を着ているのです。ダメだと言われても、付いて行きますから!」