男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
殿下は青い瞳を狭めて、私をじっと見据えていた。
その目力と無言の迫力に気圧されまいと、私は強気な視線を正面からぶつけていた。
どうか連れて行ってほしい。
私だけ安全な場所で待っているだけなんて、そんなの嫌だ……。
先に口を開いたのは殿下だった。
「聞き分けのない奴だ」と呆れたように呟いて、急に私の腕を掴んで引っ張る。
突然の強い力に踏み止まることができず、私は「キャア!」と叫んでベッドにダイブしてしまった。
慌てて起きようとしたら、体を反転させられ、仰向けに押し倒される。
その上に、殿下が馬乗りになって……。
言葉を失い、目を見開く私に、殿下は真顔で問いかける。
「青の衣を着ているから、俺を守ると言うのだな?」
「は、はい……」
「ならば脱がせてやろう。抵抗するなよ」
殿下の右手が、私の襟元のボタンをひとつ、ふたつと外していく。
じっとしているのは、抵抗するなという命令に従っているわけではなく、驚きのあまりに自分がどうすべきか分からなくなっているからだ。
私はこのまま脱がされて、殿下に抱かれることになるのだろうか?
嫁入り前だというのに、それはあんまりだ。
私を愛してくれるなら、今はまだ無垢な体のままでいさせてほしい。