男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
ひと仕事増えたことで不満を口にしたジャコブが、私の体の上から毛布を剥ぎ取った。
「キャア!」と叫んでしまったのはジャコブのせいではなく、昨夜の情事を思い出してしまったから。
私は裸を殿下に見られて、触られて、それから……。
「ステファン様、どうしました!?」
「あ、ごめん。なんでもない」
ジャコブを驚かせてしまったことを謝り、赤い顔のままでベッドに身を起こした。
脳裏に浮かんだ恥ずかしい光景を消そうとして、ふと思う。
あれ? 大事な部分を触られて、喘いだ記憶はあるけれど、その後はなにも覚えていない。
快感の波に襲われて、頭が真っ白になった私は……気を失ってしまったのだろうか。
じゃあ、青の衣を着せて、部屋に運んでくれたのは殿下?
そして私はもしかして、処女のままなのだろうか……。
痛みも違和感もないのだから、きっとそうなのだろうと理解する。
そのことに少しホッとしてから、一番大事な問題にハッと気づいた。
ジャコブは私が昨夜、脱ぎ捨てた寝間着を拾い、「一度着たのに、なぜまた青の衣を」とブツブツ言っていた。
そんな彼に駆け寄ると、私は両手で胸倉を掴んで強く揺さぶる。
「殿下は、今、どちらに!?」
「ス、ステファン様、苦しいです。
殿下なら、とっくに出発されましたよ。日の出も待たずに」