夢幻の騎士と片翼の王女
「男性器は、刺激を与えることで固く大きくなります。」

そう言ってマリエッタさんが、女の人に合図を送ると、女の人は男性の上に座り、男性のものを触り始めた。



私には体験はないけど…
でも、そのくらいのことは知っている。
なんで、こんなことわざわざ…



(あ……)



そっか、ここには本もテレビもネットもない。
だから、こういうことを自然に知るってこともないんだ。
知るとしたら、こんな風に人伝てでしかないのかな?



とはいっても、こんな間近でその行為を見せつけられると当然ドキドキしてしまう。
思わず目を逸らしてしまったら、マリエッタさんにちゃんと見なさい!とまた叱られた。



この人たちも大変だなって思う。
まさか、恋人同士ではないだろうし、たとえ恋人同士だったとしても、勉強のためとはいえ、人前でこんなことをしなくちゃいけないのは恥ずかしいだろうと思う。
かくいう私も、なんだかおかしな気分になっていた。
以前、映画で見た長いベッドシーン…一緒に行った友達の手前、なんともないふりをしてたけど、本当はすごくドキドキした。
今、目の前に繰り広げられているのは、そんなのとは比べ物にならないくらい、もっとずっとエロチックなもので…



「わっ!」



女性の行動はどんどんエスカレートしていく。

恥ずかしい…恥ずかし過ぎて、とても見てられない。
そう思うのに、私は、二人の行為から目が離せなくなっていた。
< 131 / 277 >

この作品をシェア

pagetop