夢幻の騎士と片翼の王女
アルフレッドが、姫様にあのような大それた感情を抱いていたなんて…
今にして思えば、確かにアルフレッドの姫様を見る目は普通ではなかった。
何か良からぬことを考えているのではないかと思っていたが、それがまさか思慕の感情だとは思ってもみなかった。
それに、まさか、リチャードの死にも奴が関わっていたなんて…
あの暴漢は、今までに大きな問題を起こしたこともない、ごく普通の人間だという話だった。
アリシア様や王家に対しても、不満を持っているような素振りはなかったと聞いた。
おかしな話だとは思っていたが、まさか、アルフレッドに操られていようとは…
殺害の目的も、アリシア様だと見せかけて、実は最初からリチャードだったなんて、誰が考えただろう…



(一刻も早く、このことを国王にお知らせしなければ…!)



国王の元へ行こうとした時だった…



「どこに行かれるおつもりか?」

「アルフレッド…!」

私の前に、アルフレッドが立ちはだかった。



「先程、私の部屋に侵入したのはあなたですね…」

「何のことだ?私は、ちと急いでおる。
話ならまた……」

私は急いでその場を立ち去った。
アルフレッドの狂気染みた笑い声が響く。



「うっ……」



背中に鋭い痛みを感じ、私はそのまま前のめりに倒れこんだ。
それが、魔法の短剣に刺し貫かれた痛みだということはすぐにわかった。
うかつだった…もっと、注意するべきだった…
だが、そんなことを考えても、もう遅い。
アルフレッドの甲高い嘲笑が私の耳をつんざく。



(国王…申し訳…あり…ま……せん…)



歯嚙みするほどの口惜しさを抱いたまま、私の一生はそこで潰えた。
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