ヴァージンの不埒な欲望
きっ、気まずい!その人が、どうしてここに来たのか?これから何をするつもりなのか?私には、全く想像できない。
でももう会えないと思っていたその人に再び会えて、不安を感じながらも、やっぱり嬉しい。
マスターが私達の前にコーヒーを置く。それぞれにお礼の言葉を口にした。「ごゆっくりどうぞ」マスターの声かけに、私は微妙な笑みを返す事しかできなかった。
その人がコーヒーカップに手を伸ばしたので、私もミルクを注いでカップを手にする。
コーヒーの香りは、やはり落ち着く。
左手で眼鏡のブリッジをクイッと上げながら、上目遣いでその人をそっと見た。
あぁ。前回もこんな風だったかも、なんて思いながら、こそっとその人の整った顔を見つめた。
今回は目が合う事もなく、その人のカップがソーサーに戻された。私も、静かにカップをソーサーに置く。
俯いていた視線が上げられ、その人は真っ直ぐに私を見据える。
「変にごまかしたりせず、真実だけを言ってください」
「はい」頷きながら、返事をした。これから、何を聞かれるのかゴクリと唾を飲んだ。
「先日もお聞きしましたが。あなたが言う『初体験』とは何をするのか、本当にわかっていますか?」
「へっ!?」
変な所から声が出た。まさかまた、それを聞かれるとは。私はよほど、世間知らずに見えるのだろうか?