ヴァージンの不埒な欲望
「少しだけ、歩くけど」拓夢さんにそう促されて、五分程歩いただろうか?住宅街の中にある目的地に着いたようだ。
建物の前面はガラス張りで、中の様子が見える。ハンガーに掛けられた洋服が見えるから、洋服屋さん?でも無造作に置かれているし、数が少ない。建物の全体の大きさからみても、店舗部分は広くないようだ。
よくわからないまま、拓夢さんに続いてお店の中に入った。出入口のドアに取り付けられた鈴が、リンリン!と軽やかに鳴った。
「いらっしゃい!」
お店の奥から、女の人があらわれた。四十代くらいかな?髪は高い位置でお団子にまとめられ、薄い色のデニムシャツに黒の細身のパンツ。明るい笑顔は、彼女の快活さを感じさせた。
「横山(よこやま)さん、今日はよろしくお願いします!」
「お待ちしてました!こちらこそ、よろしく!」
安西さんと横山さんの挨拶が終わった後、私も紹介された。
横山さんは洋服のリフォームなどを、こちらの店舗兼自宅でされているそうだ。
「安西さんのお話を聞いて、星野さんに似合いそうな服を準備してみたの」
そう言って横山さんが、ハンガーに掛かった服を一着、私たちに見せてくれた。
「すてき!」
「ああ。愛美ちゃんが着たところ、早く見てみたい」