ヴァージンの不埒な欲望

「はい、二人ともストップ!星野さん、私がさっき言った事、覚えてる?」

横山さんが交互に私達の顔を見た後、最後に私を見ながら小首を傾げた。

「はい!でも、これは!」

『目上の好意は素直に受けるもの』横山さんのセリフをすぐに思い浮かべるが、それとこれとは全然違うものだと思った。

「ノンノンノン」と再び、人指し指を振りながら言った横山さん。

「男って、結構プライドが高くて繊細なのよ。せっかくの好意を拒否されたら、かなり傷付くと思うなぁ」

横山さんの言葉に、思わず拓夢さんに視線を送った。眉尻を下げて笑いながら、拓夢さんは肩を竦めた。

「星野さん、ここは安西さんの好意に甘えましょう。それでね、こういう痴話喧嘩をする時は、二人っきりの時にするのよ」

パチンと横山さんにウインクをされ、慌てて私は横山さんに反論した。

「ちっ、痴話喧嘩なんかじゃ!」

「はいはい!私、次の来客があるから忙しいの。お帰りいただけるかしら」

そう言いながら、横山さんは私の背中を出入口の扉に向かって押す。拓夢さんは、苦笑しながら私達に続いた。

背中を押しながら、横山さんが私の耳元で囁いた。

「男が女に服を贈るのはね。その服を、脱がせたいからよ」

「ぬっ!?」


< 79 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop