ヴァージンの不埒な欲望
「どっ、どう話せば、不自然じゃないんだろ」
「うん。せっかくだから、上野さん達が考えた事、そのままつかわせてもらおう」
「?」
図書館から駅前に買い物に行った時に、カットモデルを頼まれた。全然カットモデルを引き受けてもらえないと泣きつかれ、つい引き受けてしまった。洋服は、写真撮影の時に着た物を、気に入って買い取った。
「それで!それでいきます!」
私の車が止めてある駐車場まで、母にどう話そうか考えた。不安な所は、拓夢さんに言い方を相談したりした。
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「それでそれで、愛美ちゃん。どうしてそんなに可愛くなったの?」
「かっ、可愛い、ですかー?ははっ!」
隣に座る二宮(にのみや)さんに顔を覗きこまれ、私はとりあえず、笑ってみた。もちろん二宮さんは、こんな事で許してくれないけど。
──昨日自宅に帰り、拓夢さんと相談した通り、母に話した。
最初は驚いていた母だったが、私の話を聞きながら段々頬が綻んできた。最後は、「すごく愛美に似合ってるよ」と笑ってくれた。
その様子を、父はリビングでいつものように無言で見ていた。
兄は帰りが遅く、ちゃんと顔を合わせたのは今朝だった。
「あっ、髪切ったんだ」
しばらく私の顔を見つめた後、ボソッと呟いた。