ヴァージンの不埒な欲望
人よりもちょっと不器用な私は、作業に慣れるまでかなり時間がかかった。落ち込む私を、明るく励まし続け、的確なアドバイスをしてくれたのが二宮さんだ。
志村さんは、私より二才年下のシングルマザーだ。周りの空気をよく読み、グループ内のムードメーカーだ。私よりしっかり者で、様々なフォローをしてくれる。今の職場での一番の友人だ。
前の職場では、プライベートで付き合いのある人はいなかったので、社会人になってからの初めての友人だ。
私が所属する『検査』には、女子ばかり三十人程が在籍している。二十代の独身(バツも子どももなし)は、私一人だ。みんなが子どもや家の用事で、急に仕事を休む事にもかなり寛容だ。
私は頼りないこの性格もあってか、みんなの妹か娘のような存在として可愛がっていただいている。本当に、ありがたい。
女子高、女子大と通い、そして今。異性の目がないと変な見栄や遠慮がなくなり、女同士、サバサバとした関係になりやすい気がする。
なかなかまともな仕事ができない私に、冷たい態度をとる他のグループの人もいた。
でもそのたびに、二宮さん、志村さんをはじめとする同じグループの人が、庇ってくれたり、励ましてくれた。
二年経った今では、休んだ人の代わりに他のグループにフォローに入れるようにもなった。
目の前の志村さんに小さく頭を下げると、口角をクッと上げて笑ってくれた。