ヴァージンの不埒な欲望

シングルマザーとして、仕事に子育てに家事に、大忙しの志村さん。次ゆっくり会える時は、私の突拍子もない行動を笑って報告できるといいな。



火曜日、上野さんのハンカチを返しに『Myself』に寄った。

「先日は、ありがとうございました!」

上野さんの明るい笑みに、「こちらこそ、ありがとうございました!」と私も笑みを返した。

もう一度お礼を言って、きれいに洗濯をしたハンカチを渡した。そして「よかったらご家族で」と、可愛くラッピングした袋に入れたクッキーも手渡した。

昨日の夜、思いつきでクッキーを焼いた。本当にプレーンな物だか、何かの形で感謝を伝えたいと思った。

「これは、下田さんに」と、先程よりも小さな包みを渡す。

「あら、とっても可愛いですね。ありがとうございます!下田も喜びます」

喜んでもらえた事にホッとしていれば、「では、私からも」と、上野さんが淡いピンク色の封筒を差し出した。

「?ありがとう、ございます。開けても、いいですか?」

上野さんが満面の笑みで頷いたので、そっと封筒を開けてみる。

「っ!これは……!」

封筒の中に入っていた写真を見て、思わず息を呑んだ。

「先日、お二人を見送っていたら、あまりにもステキだったので。すみません!下田が思わずシャッターを切ってしまいました」


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