ヴァージンの不埒な欲望
拓夢さんを見上げ必死に笑う私と、優しい眼差しで私を見て微笑む拓夢さん。そんな二人の横顔を撮った写真だった。
私が本屋さんで見とれていたのは、拓夢さんのきれいな横顔が多かった。そんな事を思い出してしまい、頬が熱を持つ。
それにしても……私のこの顔は、拓夢さんへの想いがダダモレてるよね。拓夢さんの事をずっと見つめていたくて、でも恥ずかしい。拓夢さんの瞳に映る私が、少しでも可愛く見えていたらいいな。
そんな、勝手で自分本意な想いを抱いている。
ああ……本当に、恥ずかしい!こんな風だから、上野さん達や横山さんにも、勘違いをさせてしまうのだ。
拓夢さんが私を気遣って優しくしてくれるのは、私が変わる『レッスン』の為だから。
大丈夫。ちゃんと、わかってる。
封筒には、写真が二枚入っていた。「安西さんにも、渡してくださいね」と上野さんに頼まれたけど、拓夢さんには渡さないつもりだ。
私と二人で写った写真なんて、それをどうするのか、拓夢さんを困らせるだけだ。私が二枚とも、持っていればいい。ちゃんと大切にする。
一枚は保存用にして、もう一枚は手帳に挟んで置こう!拓夢さんの横顔だけが見えるように写真を折れば、手帳に挟むのに、ちょうどいい大きさになる。
この写真は、私の宝物になる。
そう思えば、ちょっと明るい気持ちになれた。
そのうち来るであろう、拓夢さんと離れる日の事を私が考えても、どうしようもないんだから。