明日の蒼の空
「ふふふふふ」
 軽く茹でたほうれん草を、ざるに移して水切りしていたとき、夏美さんの小さな笑い声が聞こえてきた。

 何か楽しいことが書かれているに違いない。私はそう思う。

「お風呂に入るわね」

「はい。ゆっくり入ってください」

 夏美さんがお風呂に入っている間に、私は夕食の支度を進める。

 みんなのお店に置かれている食材は、どれも新鮮ですごく美味しい。

 今日の夕食の食材もお肉もお魚もお酒も何でも無料。

 好きなだけ持っていっても怒られることはないそうだけど、私は必要なものを必要な分だけいただくようにしている。

 出来上がった料理をテーブルに並べていたとき、夏美さんがお風呂から出てきた。

 平日と日曜日の夜は、二人だけで食べている。土曜日の夜は、お隣さんのひーこさんと美紀さんと舞さんや夏美さんの友達が遊びに来て、大人数で食卓を囲んでいる。

 私はまだ二回しか経験していないけど、ちょっとした女子会のような雰囲気で楽しく過ごせた。どの人も私に優しく接してくれた。
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