明日の蒼の空
「話は変わるけど、蒼衣ちゃんは、あたしの家に来てから、今日で丸三週間ね」

「はい。今日で丸三週間になります」

 私が夏美さんの家に来た日のことはよく覚えている。

 町の中心部にある真っ白い建物の真っ白い部屋のベッドの上で目覚めた私に、東ひまわり町の町長さんの吉川さんというおばさんが、この世界のことについて説明してくれて、いくつか質問された。

「どのような家で暮らしたいですか。一人で暮らしたいですか。誰かと一緒に暮らしたいですか。何かご希望やご要望はございますか」

 私はそのとき「どんな家でもいいので誰かと一緒に暮らしたいです」と答えた。

 私は一人暮らしの経験がないし、見知らぬ町での一人暮らしは不安に思ったから。

 そんな私に吉川さんが夏美さんを紹介してくれた。

 吉川さんに連れられて私の居る部屋に入ってきた夏美さんの顔を見たとき、とても優しそうな人だと思った。私の姉と雰囲気が似ていた。この人なら、一緒に暮らしてもいいと思った。

 それからお互いに自己紹介をして話し合い、二人で一緒に暮らそうということになった。

 その日から、私は夏美さんと一緒に暮らしている。良い人と巡り合えて良かったと思っている。
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